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山と電気とわたし

2022.9.4

みなさんこんにちは、ガイドの平馬です。

一昨年より始まった『e-ライドツアー』はお陰様で多くの方に参加いただき、特に連休中などは山を下るより登っている方が多いほどになりました。

この電動アシスト付きマウンテンバイク、通称e-MTBの進化は目まぐるしく、最近では一見するとそれと気づかないほどスマートかつ軽量な車体が増えてきました。

変速とペダリングのちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも息を切らさず乳酸に苦しめられることなく林道やオフロードを軽快に登ることができます。

そんな登ることに特化したe-MTB、我々の元に来たからには遊びを提供することはもちろん、馬車馬のように働いてもらわなければ困ります。

というわけで、新たに導入した『KONA REMOTE160』を使ってトレイル整備に行ってきました。

普段の整備作業の際にはトレイルヘッドまで車で登り、置き去りにした車を出口にデポしておいた別の車で回収するというスタイルでした。

つまり最低でも二人のスタッフの確保が必要でした。

原油価格高騰の影響が如実に感じられるガソリン価格、かつて『陸の孤島』と揶揄されていた伊豆半島、急峻な山々が織りなすこれまた急峻な林道で唸りを上げるエンジン。

加えて昨今の時代背景を鑑み、このスタイルはいかがなものかと感じる節がございました。

そこでe-MTBの登場です。

お弁当、水を2リットル、チェーンソーをはじめ各種道具をバックパックに詰め込んで、足には鉄芯入りのスパイク足袋を履いた、およそ自転車に乗るような格好ではない我々を、e-MTBは嫌な顔一つせず健気に山頂まで運んでくれます。

普段の車移動では見落としがちな山中の変化に目を配り、ツアー全体の精度向上につながる寄り道が無限に行える道中は、もはやただの移動ではなく整備でありライドであり楽しいのです。

トレイルに入ってからは、一旦バイクと重たいバックパックを置き、最低限の軽装で整備を始めます。

500m程度を1セクションとし、下りながら必要な清掃や修繕を行なっていきます。

作業に見落としが無いかを確認しながらバイクまで戻り、仕上げのライドをしながら次のセクションに向かいます。

なんと無駄のない楽しい作業でしょう。

自分が行った作業が実際のライドにどういった影響を及ぼすかをすぐに確認できる、これも我々に『登る』という選択肢を与えたもうたe-MTBのおかげなのです。

一見、下って登ってを繰り返すことに非効率的な印象を受けますが、トレイルの仕上がりは段違い。むしろ効率的と言えるでしょう。

また整備に必要不可欠でありながらその重さに辟易してしまうチェーンソー。

出来ることなら持っていきたくない、でも無いと整備が全く進まない、だから一応持って行くけど結局一度も下ろすことなく下山し、亀仙人の甲羅、ピッコロのターバンよろしくただのトレーニングになることもしばしば。

「ちょっと本気出さないとダメみたいだな‥」どさっ‥!

「なんだと‥!貴様っ‥今までそんなものを背負って戦っていたというのかっ!‥」

なんて場面は整備には必要ないのです。

話が逸れましたが、そんなお悩みを解決してくれるのも御e-MTBです。

ある程度絞れている倒木危険箇所に『ちょっと行ってくる』なんて選択肢、徒歩ではなかなか選びにくものです。

『持続可能性』なんて言葉を耳する機会が増えた令和の時代。

木を伐り土を削ってまでコースを作るなんざ自然破壊じゃないか、動植物の住処を奪ってまで自転車で走りたいなんて人間のエゴだ、というご意見を頂戴したこともありました。

人が立ち入らない山中は動物たちの楽園となるでしょう。安心して子孫を増やせる環境では、その個体数は増え続け、オーバーフローした鹿や猪は里に下り田畑を荒らしてしまうこともあります。

また、空に太陽のある限り成長を続ける木々、それを支えるのは伊豆半島を形作るかつての火山群の表面を覆う脆弱な土の層です。

根を深く張れないまま育ち続ける木々はいずれ自重を支えきれなくなり、土や岩を抱いたまま倒れ、つられて崩れる土砂による被害を受けるのは麓に住むヒューマンたちです。

我々が山で木を伐り土を削り古道を再生して人を呼び込んだとしても、その全てが解決するわけではありません。

しかしながらそれら災害の予防に小指の爪の先の先ほどは貢献している自負があり、どんな形であれ山に立ち入ることには意味があると考えています。

過酷な重労働の部類に位置するであろう『山作業』を少しでも楽しく、そして「また行こう」と思える環境を作り出すことが、我々なりの『持続可能性』であると考えています。

話がだいぶ大きくなってしまいましたが、西伊豆スタイルの『持続可能性』を後押ししてくれるe-MTB素晴らしいよって言いたかっただけでした。

しかしながらいざ手に入れようと思っても、金額、在庫数、納期の問題でなかなかすぐには手に入らないのが現状。

まずは一度、e-RIDE TOURにご参加いただき、その性能を体感してからでも遅くはないかと存じます。

整備頻度が爆上がりする台風シーズンも控えていますので、e-DIG DAYなんかも企画していこうと思っています。

以上、山と電気とわたしでした。

まだまだ暑い日が続きますので、皆様お身体ご自愛くださいませ。

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