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Base Tres 制作物語

2016.11.16

皆様、GOBUSATA しております。スタッフの平馬です。

 

夏が終わり、早いもので気づけば11月も半ば。朝晩の冷え込みは冬さながら!かと思いきや春のような陽気の中、海水浴をキメこむキッズもちらほらな西伊豆からお届けしています。

紅葉もなく、芸術も読書も食欲も一年中ボチボチなここ松崎では、秋の存在は四季の中でもあまり感じられず、こちらから積極的に気配を感じ取ってあげなければいけない世話の焼ける季節でございます。

そのせいか気のせいか、西伊豆には『あき』の付く名前が少ないように感じます。

西風が吹き荒れる冬が来るまえのわずかな秋、感じていきたいものですね。

ではまた。

 

てなことだけで終わるならTwitterにでもつぶやいてろって話なので本題に参ります。

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すでにFaceBook等でご存じの方も多いかと思いますが、このたび我々YAMABUSHI TRAIL TOURは新拠点を制作いたしました。

今回はその行き当たりばったりな制作過程をつらつらと書いていこうかとおもいます。少しの間?ですがお付き合い下さい。

 

まず、なぜ新しく拠点を設けようと思ったかですが、単純に無かったからです。

なんとなくそれっぽい場所はあったのですが、いずれも腰を据えて構えられる場所ではなく、常に転々とワタリドリのように移動を繰り返していました。

 

レンタルバイクの置き場はボス(松本潤一郎)が住んでいた家の一階部分の倉庫でした。

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整備をする際は、写真のように日曜大工でも楽しむお父さんのように、玄関前にデーンと機材を広げなければなりませんでした。

そして実際、日曜日はほとんどツアーが開催されるため整備を行うのはもっぱら平日。

いい大人達が平日の昼間から家先でビールを飲みながら自転車をいじっている様はいかにゆるゆるな松崎といえど、あまり健全なものではありませんでした。

 

そして、事務作業を行う場所はボスの奥様の実家が営む文房具屋『サカンヤ』の二階を間借りしていました。

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文房具屋の二階ですから、デスクワークに必要な備品は15秒で買いに行けるという好立地だったのですが、パーテーションで区切られた隣はまだ小さいお子様達の遊び場。

頭がショートしそうな経費等の計算をしている時にも、となりのトトロが無限ループで流れるというこれまたあまり健全な環境ではありませんでした。

 

それでも他に行き場のない僕らはそこで事務仕事を行なっていましたが、ボスに二人目が生まれ遊び場を拡張。我々は撤退を余儀なくされました。

 

先日久しぶりに訪れたそこは、ボスの長女が治める領土になっていました。

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貫禄がごいすーでした。

 

そうしていよいよ行き場を失った僕ら。いっそ港で青空のした仕事するしかないか、と内見へ。

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椅子が一つじゃなー‥

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いやたくさんあるけどちょっとクオリティーがなぁ‥

 

などと冗談を言ってる僕らに朗報が飛び込んできます。

間借りしていた文房具店サカンヤ、実は『バイパス店』という支店で本店は商店街の一角にあるのです。

しかし本店での営業は終了し全ての業務をこのバイパス店に集めているため、本店は空き店舗になっていて、なんとそこを貸していただけるとのことでした。

 

集合場所の港からも近く、観光客の通りも多い好物件に巡り会えた僕らは早速、ワクワクしながらその店舗のシャッターを開けました。

 

これが、これから始まる長く険しいリノベーションの始まりだとも知らずに。

 

ガラガラと鳴るシャッターを開け、外の光の届かない店舗の奥へと進みます。

手探りで蛍光灯のスイッチを押すと、

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いろんな

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もので

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溢れかえってるーーーーーーー!!!!!

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これには、助っ人で来てくれた週末スタッフのツチヤケンジも呆然。

ちなみに写真に映っているのは、すでに半分ほど片付けた状態です。

 

僕らの最初のミッションは、物を捨てまくることでした。

しかしこれが一筋縄ではいきません。

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まず可燃物と不燃物を分けるだけでも一苦労。

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そして『勿体無い』『使えるかも』『とりあえず置いとこう』の片付け進まない三銃士まで現れ、

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さらにはこんなどうしていいかわからないものまで出でくる始末。

 

結果、

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なんて愚痴りながらもやるしかなく、ツアーやトレイル整備の合間を見て焼却場にゴミを運ぶ日々が続きました。

おかげで焼却場のおじさん達にもバッチリ顔を覚えられ、こいつら一体何やってんだという視線を投げかけながらもなんとか処分を終えました。

 

当初の予定は、マウンテンバイクが置けて事務作業ができればいいというものでした。

 

ですので当然、次に取りかかるべきはバイクラックの作成でした。

ネットに上げられているラックは、どれもロードバイク用で若干の不便を感じていたため寸法を再調整しながらの作成。

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2×4の材を組み合わせ、金具に差し込むだけの簡単なものですが、自分たちで作るとそれだけで輝いて見えます。

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あまりにも白すぎたので塗装を施し、

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ステンシルを作って、

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ロゴ入りのラックが完成!

これにテンションが上がってしまった僕らは、前の倉庫からバイクを全て運び出し、新拠点に運び込みました。

そしてボスがこう言いました、

 

「よし、次は壁だな。」

 

ですね、

では壁に貼る木を切りに行きましょう。

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というわけでまだ残暑の厳しい9月、切りに行って来ました。

ボスは「杉や檜のまっすぐな木だけでなく、あえて広葉樹の曲がった木も混ぜて、山小屋みたいな雰囲気を作りたい。」

という、ナニイッテンダコノヒトというコンセプトのもと、慎重に?木を選びながら倒して行きます。

それを道路まで運び車に乗せる力仕事、そうです、当然僕の仕事ですね。

その一部始終がこちら。

運び出した材を製材してくれたのは、僕の祖父の出身でもある、隣町の山奥にひっそりとある白川という集落の『梅田製材』様。

ヤマザクラやマテバシといった広葉樹を、曲がったまま薄い板にしてくれというナンダソリャな注文も快く受けていただきました。

この場を借りてお礼申しあげます。本当にありがとうございました。

 

そして製材を終えたものがこちら!

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ほんの一部ですが、これだけでも一つのオブジェになりそうなくらい綺麗でした。

ただ思ったより枚数が多くてですね、ざっと数えただけで150枚近くありました。

持って行くときに2往復してるので、持って帰るときにも当然2往復です。大変でした。

 

さて、壁材の出来に手応えを感じた様子のボス。

ふと真っ白な天井を見上げ、「天井も塗ろう」と一言。

あらー本当にー?

じゃあー‥

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マウンテンバイク全部出してー

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養生してー

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蛍光灯外してー

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塗りました。

(作業中なのは西伊豆古道再生プロジェクトのメンバーであり大工でもあるチバさん)

 

色は悩んだ末、クリーム色というなんとも優しいものをチョイス。

途中、ボスから「赤は?」というトチ狂った提案が出ましたが速攻で却下しました。

 

さぁ、後は壁を貼っていよいよ完成ですね!とボスの方を見ると何やらうつむいています。

どないしたんやろ、お腹でも痛いんやろか?と心配する僕のことなどつゆ知らず、

「やっぱ床剥がすか」と一言。

 

‥‥。

 

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これがその床。

確かに時代を感じるビジュアルですけど、剥がすってどうやって?

ん?このヘラみたいなのと?金槌で?

トントントンってやるの?

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トントンコンコン‥‥。

 

 

ってできるかーーーーーーーー!!!

いやいやざっと数えただけで800枚くらいあるよ!

じゃあ試しにやってみようかってあれ?なんか楽しいかも!お、だんだんとコツが‥これなら意外とできそうな気g‥

いやできねぇよ!飽きるよ!ものの5枚でもう飽きたし手が痛いよ!

 

と叫んで見てもボスには届かず、ニヤニヤしながらこちらを見るばかり。

 

と、途方に暮れていた僕の元に救世主が!

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エレクトリックパワーを使って今までの20倍の速度で床を剥がしてくれるナイスマシーンが降臨しました。

このスーパーマシーンを貸してくださったのは、地元の内装屋の『松原塗装』様。

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そして床に残った接着剤を剥がす道具を貸してくださったのは、松原内装様のご主人の双子の兄で、同じく内装屋の『西伊豆インテリア』様。

この両名には、道具を借りアドバイスをいただき完成まで見守っていただきました。

この場を借りてお礼申しあげます。本当にありがとうございました。

 

機械の力を手に入れ!

助っ人の王さん↓(会社の語学留学で西伊豆の民宿にホームステイ中。ツアーに参加し、その後トレイル整備まで手伝ってくれたナイスガイ)

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そしてイトウマイさん↓(松崎町の地域おこし協力隊)

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も加わり一ヶ月はかかると思われた床剥がしも二日間で終わりました。

 

剥がし終わったあと、ボスが何を言うかはもう分かっていました。

そうです、塗るのです。

色を悩んでいると、ここでも「赤は?」という正気の沙汰とは思えない提案をぶっこんでくるボスをなだめ、

クラシックブルーなる色をチョイス致しました。

 

後は、

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塗るべし!

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塗るべし!

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塗るべーし!

 

下塗りを入れて合計5回。

さすがに最後は飽きて来ましたが、メタルバンド『Dragon Force』の力を借りてなんとか塗り切ることができました。

ありがとう、ハーマン・リー。

 

さぁ!やっと!やっと壁を張る時が来ました!

僕の実家の庭で、教師である両親のナンナンダコレハという冷ややかな視線を浴びながら乾燥し、その時を待っていた板たちを並べて搬出の準備をします。

約一ヶ月半、雨の日も風の日もじっと待っていた彼らの旅立ちに胸が熱くなります。

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さらば。

 

材の加工から貼り付けはこちらの動画でどうぞ。

 

当初より強いこだわりのあった壁の貼り付けはそのほとんどをボスが行いました。

珍しく日が暮れても仕事を続け、目をキラキラさせて無我夢中で材を打ち込んでいました。

 

さてさて、ついつい長くなってしまいましたがいよいよ完成です。

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この雑然とした空間が‥

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こうなりました。

どうですか!よくないですか!

いやはや頑張りました。というかここまでやるとは思っていませんでした。

次から次に方向修正を重ね、行き当たりばったりな施工でしたが、こうやって完成して見るとなんとまぁうまく形になったものだと我ながら感心します笑

 

ここで写真を何枚も貼り付けるより、是非一度足を運んでいただきたいと思います。

いや、決してめんどくさいとかそういうんじゃないんです。

 

ともあれなんとか完成した新拠点。

 

名は『Base Tres』

 

これからはツアーにイベントにとガンガン使っていきたいと思っています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた、アディオス。

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